0029「地獄の黙示録」(1979年)

サイゴンのホテルに滞在していたアメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部からカーツ大佐の暗殺を命じられる。カーツ大佐は任務で訪れたカンボジアのジャングル奥地で勝手に自らの王国を築きあげ、軍から危険人物とみなされていた。ウィラード大尉は部下たちを連れ、哨戒艇(しょうかいてい)で川をさかのぼってカーツ大佐の王国を目指すが、その途中で戦争がもたらした異様な光景を次々と目撃する。ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作に、舞台をベトナム戦争下のジャングルに移して戦争の狂気を描く。第32回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。監督はフランシス・フォード・コッポラ。出演はマーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバルら。

「フルメタル・ジャケット」(1987年)も「地獄の黙示録」も、なぜか長編戦争映画は2部構成を取りがち。本作では、私は前半が昔から好きだ。ワーグナー「ワルキューレの騎行」を上空より大音量で流しながら、ヘリからベトコンの村を(非戦闘員の民間人もいるのに)撃ちまくるシーンは映画史に残るもので昔から有名。しかし、ギルゴア中佐のキャラが何よりも好きで。普通、危険な戦闘地域の海上で部下にサーフィンやらせるかね。はらわたが出て鍋フタで押さえて苦悶(くもん)のベトナム兵の前で部下に「貴様はどけ!勇敢な兵士には俺の水筒の水をやる」とか言って、その時に中佐がファンのプロサーファーのランスが来て結局、中佐はベトナム兵に自分の水をやらずじまい。これ戦場でのギャグだろ(笑)。他方一転、後半のカーツ大佐のジャングル・パートはシリアスで暗すぎる。密室でのマーロン・ブランドのカーツ大佐の人間を撲殺(ぼくさつ)と、広場での多人数による牛の屠殺(とさつ)とを重ねるラストは凄惨(せいさん)すぎる描写で、やりすぎだ。4(5点満点)

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